「ポストエディット」をGoogle検索にかけると「ポストエディット つまらない」というキーワードがヒットします。
最近求人数が激増しているポストエディットですが「本当につまらないの?」と疑問を抱く方も多いと思います。
そこで今回は、実際にポストエディットをやってみて感じたことなどをお話ししながら、ポストエディットのメリットやデメリットを解説していきます。
そもそもポストエディットってなに?
ポストエディットは、正式にはMachine Translation Post-Editing(MTPEと略されることが多い)といいます。
ポストエディットは機械翻訳機にかけた文章を添削・修正し、訳文を完成させる作業です。
つまり、1から自分の言葉で翻訳するわけではなく、常に下訳された訳文が用意されているのです。
ポストエディットのメリット
では、まずはポストエディットのメリットからみていきましょう。
翻訳の負担が減る
ポストエディットの大きなメリットとして挙げられるのが、作業をする人の負担が減ることです。
本来翻訳をする場合は原文を読んで、1文1文を理解し、訳文を提案する必要があります。
ポストエディットの場合は「原文を読んで理解する」「訳文を提案する」の2つの作業が常に完了している状態から作業をスタートするため、作業の負担が減ります。
また、自担にもなります。
質の高い訳文が完成する
翻訳機は語彙が豊富だったり、単語1つ1つをしっかりと訳してくれるため、ほぼ完璧すぎる訳文を作り出すことが可能です。
しかし、完璧すぎるが故に、読み手にとっては「不自然」「文章がわかりにくい」といった印象を与えてしまうことがほとんどです。
そこを人間が手直しすることによって、AIの力と人間の知識が組み合わさり、質の高い訳文が完成します。
ポストエディットのデメリット
次にポストエディットのデメリットを紹介します。
単価が安い
ポストエディットは、翻訳の単価より70%〜80%ほど単価が低くなっております。
翻訳会社にもよりますが、英日翻訳の相場は1ワード3.5円ほどでした。
クラウドソーシングでは、1ワード1円も満たない案件もありました。
その分、1日に翻訳できる文字数やワード数は増えますが、80%もお給料が下がってしまうのはかなり痛いですよね。
ポストエディットに向かない文章がある
全ての文章を翻訳機にかけて、ポストエディットをすればいいわけではありません。
翻訳機は直訳しかできません。
直訳の場合は、完璧に近い訳文を作り出してくれることがほとんどなのですが、直訳ではなく「意訳」や「ローカライズ」を必要とする文章では、翻訳機はあまり役に立ちません。
産業翻訳の場合は、翻訳機を活用することはできるのですが、以下のような分野にポストエディットを採用することは難しいでしょう。
- ゲーム
- 書籍(とくに小説や漫画など)
- Webコンテンツ
つまらない?実際にポストエディットをしてみて思ったこと
私がポストエディットをしてみて思ったことは「ポストエディットの案件は、当たり外れがある」ということです。
当たりを引けば効率良く稼ぐことができますし、ハズレを引いてしまえば、最悪時給500円なんてことも…。
すごく質の高い翻訳がされている訳文があれば、全部書き直した方がいいレベルの訳文もあります。
質の高い訳文が用意されているときは作業がスムーズに進み、時短にもなるのですが、理解するのが難しい訳文が用意されているときは作業が全く進まず、逆に時間がかかってしまいます。
他にも、こんなエピソードがあります。
ちゃんとしている翻訳会社ではあまりない出来事ですが…。
翻訳会社じゃない企業や、翻訳の知識が浅い企業から「翻訳機にかけた文章を1文字0.5円で校正してください」という依頼が、たまに来ます。
そして、原文を確認すると、翻訳機では対応できない文章を翻訳機にかけていて「これは絶対に、1から全てやり直した方がいい」というレベルの訳文が送られてくることがあります。
単価がありえないほど低い割に、翻訳機では絶対に対応できないような文章を翻訳機にかけているので、どうすればいいのか頭を抱えてしまった…という経験があります。
「翻訳機にかけているから、校正する作業は簡単だ」と思って欲しくないですね。
ポストエディットを楽しいと思える人はいる
私は正直、ポストエディットするのが楽しいとは思いませんが、中には「ポストエディットが楽しい」と感じる方もいます。
やはり自分の能力と相性もあるので、自分がポストエディットに向いてるか、向いていないかは、実際にやってみないとわからないかもしれません。
私は、ポストエディットよりローカライズのほうが、楽しいと思っています!
ここまで読んでくれてありがとうございます。
少しでも参考になったら嬉しいです。
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